私が金正恩だったら
評価:
鳩山友紀夫,白井聡,木村朗
(2016-06-11)
コメント:与党寄りの言論に批判されがちですが、民主党政権が潰えたその理由は何だったのかという考察を元首相と気鋭の著述家を交えて鼎談しています。目から鱗の新事実が次々と。

dandoumisairuchuui 私が金正恩だったら、まずは核兵器と大陸弾道ミサイルの精度を上げて、サイパンとハワイを射程に入れることに心血を注ぐだろう。仮に核が載らなくても大丈夫。最悪の場合、通常のミサイル攻撃を「アメリカの同盟国らしい」日本各地に54基もある原子力発電所に数発のミサイルを打ち込めば西側に壊滅的な打撃を与えることが出来る。実際に攻撃をしないとしても、それをできる能力さえ示せればそれは日米の攻撃を躊躇させる一定の抑止力を持つだろう。

 

 私がトランプだったら、サイパンとハワイを狙われてると言う都合のいい情報を広めつつ、「攻撃の正当性」を喧伝しながら、平壌と核施設を爆撃するだろう。極東のどこかの国や、中東のどこかの国を遠くから攻撃するだけで自分の支持率が劇的に改善するなら何の迷いがあるだろうか。まあ、それを考えれば沖縄に海兵隊を置いておくリスクはあるが、極力常駐の兵士を減らし、空母に主力を移しておけば、最小限の被害を最大限の被害のようにフェイクニュースを流して国際社会の支持を一挙にひきつけることもそう難しくはないだろう。

 沖縄市民が巻き込まれる?そんなことアメリカ本土が守られることに比べればどれほどの損失と言えるだろうか?更に日本の国土が破壊されることは、日本が復興のために内部留保を吐きだしてGDPを増加させ、結果として日本株を持っているアメリカ資本が利益を拡大するチャンスになるではないか。日本がどうなろうと、日本国民がどれだけ死のうが、それはアメリカの国益より優先するものではない。

 

 私が金正恩だったら、みすみす衛星から見えるような位置に核施設を置いたりしないだろう。実質的な核保有国のイスラエルには原発はない。核関連施設の内情も公にはされず査察もうけていない。だから、まともな防衛の専門家であれば、核施設とされている場所に核を置いたりしない。可能な限り分散し、原子力潜水艦に積み込み常時数十基の核ミサイルを海上に散在させるだろう。そして、攻撃を受けたら直ちに敵の最も脆弱な部分を核ミサイル、或いは普通のICBMで破壊するだろう。

 敵の最も脆弱な部分?それは日本全国の原子力施設に決まっているではないか。ミサイル迎撃システムとか笑わせることを日本も韓国もほざいているが、原子力施設を守っている迎撃ミサイルシステムは皆無だ。日本なんて馬鹿な国、滅ぼそうと思えばいつだってできる。


 私がトランプだったら、北朝鮮のミサイル攻撃が届くアメリカ本土はほぼないのだから、アメリカ国民に北朝鮮という虫けらを叩き潰す強いアメリカをアピールする大チャンスである。そのためには日本や韓国が相応に人命を喪失し国際社会からの同情や怒りが十分に得られてから参戦するのが得策である。日韓国民が死ねば死ぬほどアメリカの正当性と英雄性が高まるだろう。

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バビロンの窓から世界が見える。世界の変化に目を凝らそう。
評価:
須賀 しのぶ
祥伝社
¥ 1,998
コメント:本屋大賞第4位(予想)かな。主人公がもっと非道な方がフィクションとしては私好み。現実にヒーローはめったにいない。

評価:
こうの 史代
¥ 700
コメント:映画も見たくなったのですけど多分見ません。理由は映画ファンの熱狂が気持ち悪いから。時代の狂気に翻弄された市井の人々を描いた作品を別の狂気が礼賛するのはどうも(゜_゜)。でも原作はいい本です。

 アメリカがシリアにミサイル。

「シリアの子供たちを守るために」という、トランプのイケシャーシャーを通り越して厚顔無恥極まりない建前について今更非難しないけど、さて、戦争になるのだろうか、と思う。

 

 明日本屋大賞の発表で、何度も言います。大賞は恩田陸『蜜蜂と遠雷』で決まりです。

 でも、気になるものは読むようにしてるので本屋大賞にノミネートされ、恩田陸と直木賞を争った須賀しのぶ『また、桜の国で』を読んでいろいろ考えさせられました。面白かったし、いろいろと考えさせられる佳作でした。

 舞台はポーランド。少年時代にふとした縁でポーランド人の少年と秘密を交わし合ったロシア系日本人の棚倉慎(タナクラマコト)は長じてポーランド大使館の書記生としてワルシャワに赴任する。時は第2次大戦前。ユダヤ人への迫害、列強各国の数々のポーランドへの侵略と陵辱。開戦でナチスに占領されたポーランドと、それに抵抗した市民たちの1944年夏のワルシャワ蜂起を物語の中心に据えている。日本人はお花畑だと言われますが、世界でテロや暴力は日常茶飯で行われていて、ポーランドで起こった絶望的なそれは全く我々日本人の想像を絶するものでありました。私はヨーロッパ未踏の地なのですが、ワルシャワ市街が第二次大戦でナチスに徹底的に破壊され尽くし、戦後、壁の傷一本まで再建されたものだなんて全く知りませんでした。

 

 ポーランドは不遇の国です。古くはモンゴル帝国に蹂躙され、近代にはロシア・プロイセン・オーストリアに分割され、第一次大戦後に独立するも今度はナチスに侵略され、戦後はソ連に支配されると言う日本人には想像もつかない歴史上の辛酸をなめさせられました。ワルシャワ蜂起では市民たちの20万人以上のポーランド人が犠牲になり、ワルシャワ市街の地下には当時の虐殺で殺された市民の処理しきれなかった遺体が眠っているとかいないとか。

 そんなワルシャワを舞台に、主人公のマコトが杉原千畝張りの愛ポーランド心を発揮し、ポーランドと日本の友好のために活躍する物語なのですが、私が引っ掛かったのはその辺のヒーロー化された「日本人」の美談(-。-)y-゜゜゜。著者は歴史専攻で相応な資料にあたって物語を書き進めた形跡があるので全くのフィクションだとも思いませんが、ググったところモデルになった日本大使館の書記生は見当たりませんでした。これが私が時代小説を読まない理由そのものなんですが歴史上の人物(のような架空の人物)が読者に都合のいい行動と価値観をあたかも史実のように披露するその胡散臭さにはやはり警戒を禁じ得ない。それでも、戦時下のワルシャワやソフィア(ブルガリア)の様子など想像力を究めた描写には唸らされました。ポーランドについてもう少し知りたいと思いました。

 

 また、昨年大変話題になった映画『この世界の片隅で』(こうの史代)の原作漫画読了。ポーランド人の悲惨さには及びませんが、戦時の普通の人の生活を描いていてこちらも大変読みごたえのある秀作でした。こちらの方がいろいろと腑に落ちる。ほんとの悲惨な戦争には多分ヒーローは出てこないのです。市民が悲惨な毎日を、悲惨にならぬよう工夫して生き延びて、その苦しさを胸に沈めながら毎日を生きるのです。

 

 春休みで何度目かのタイを訪れました。

 タイと言えば、昨秋ついに人望の塊、プミポン国王がお亡くなりになり、半年以上たつも公式には喪中ですが、表向きはさほどその影響はありません。

 今回の訪タイは体調的にも、時期的にもかつてないほど、だめでした。天気はもとより、このところの多忙と久々のバックパッカー旅行で腰を痛めてしまって、1日ベッドで寝込みました。無理して出かけてみても顔に疲れが出てるとまったくモテんわな。orz…泣いて帰ってきたのですけど、同じ町を定期的に定点観測していると、それなりに町や国や市民が変化していることに敏感に気付きました。

 現在のタイで影響しているのは,国王の死より一昨年、エラワン廟(旧そごう。伊勢丹の斜め前)で起こった爆破テロだったのではないかななどと思いました。

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佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』~好きは世界のもと~
評価:
佐藤 多佳子
¥ 1,512
コメント:本屋大賞本命!と言いたいけどノミネートされてない!でも、読めばわかる、なんでノミネートされてないの!と。

 前稿と絡めて書いたけど、冗長で形にならなかった部分をただの書評として紹介したい。

 

 佐藤多佳子のラジオを題材にした小説『明るい夜に出かけて』を読んだ。すごく面白い。

 昨年9月の刊行だけど、なんで本屋大賞、ノミネートされてないのかな?と思うくらい面白い。私、ノミネート作品5,6点読んだけど、恩田陸以外のどれより面白かった。『みかづき』といい勝負。まあ、佐藤多佳子さんも以前本屋大賞獲ってますけど、ノミネートされてたら、この2作とみかづきが大賞を争ったと思う。

 あまり内容を知らないで「ひきこもり」の話かと思って読み始めたら、「はがき職人」のお話でした。

 

 主人公は大学休学して親から離れてコンビニでフリーターをするトミヤマ。

 彼のバイトするコンビニに「カンバーバッジ」2個付けた小動物のような女子高生が現れる。それがサコタ。

 カンバーバッジってのは2012年から2016年まで深夜ラジオニッポン放送で放送されたらしい漫才コンビ アルコ&ピース(アルピー)のオールナイトニッポン(ANN)の最上級のプレミアノベルティで獲るのがすごい難しいらしい。それを見て、ついはがき職人としての本性を現したトミヤマと、彼と一緒にバイトするベテランフリーターでミュージシャンのシカザワ(だいちゃ)やトミヤマの高校時代の友人のANNリスナーのナカガーなどが絡みつつ、人間と付き合うのが苦手な人間、コミュニティに逐われて傷ついた人間が少しずつ世界と折り合っていく物語で、大変完成度が高くて唸ってしまった。てか、ちょっと泣いたね。

 

 私、アルコ&ピースって名前くらいしか知らなかったんだけど、思わずRADIKOで検索してラジオ聞いちゃった。

正直おっさんにはやっぱリアル「アルコ&ピース」はちょっときつい。それにキンピク(琴線がぴくっと)するかどうかは世代ってものがあるようで、異国の話みたいに思えた。でも、活字を通して改めて深夜ラジオを自分の存在そのものと思って耳を澄まして聞いているリスナーたちの熱量と存在がバンバン入ってきて、すごいなあと思った。


 私、前も書いたけど、年取るとどんどん「好き」がなくなるの。

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RADIKOが凄いもんで、みんなテレビを捨ててラジオを聞こう

 311から6年。

 早いものです。ここにきて「避難解除」が相次いでいるが、なんでもそれは「復興したから」、「除染できたから」ではなく、「東電の損失を確定させるため」というおぞましい理由だそうで、避難解除はされたものの帰還した人は13%~。逆に東電からの賠償や行政からの支援が切られて避難先で生活が立ち行かなくなる人たちが続出しそうな気配。

 ついつい他人事みたいに書いてしまうけど、当事者から言えばほんと他人事じゃないんだよね。

 6年を経て、実態とかけ離れて震災報道が減少していて、と言ってる私も現地に足を運んでるわけではないけど、なんとなくそのままスルーして平常に戻っているような報道、オリンピックやらなんやら、復興したという建前にしたい報道が多くなって気色悪い。自分が被災者にじゃなくてもそれはいやよ。自分の存在が無きものとされる。そんな絶望がこの国には多すぎる。

 

 北朝鮮が先日のミサイルの標的は沖縄米軍基地だったと明言しました。

 安倍政権はトランプ政権との関係を緊密にする(つまりは盲従する)と言っているが、沖縄の人から言えば本当にたまったものではない。米軍がいるから標的にされるなら米軍が出ていってくれれば沖縄が標的にされることはない、そう、当地の人達がそう苦く思っていることは容易に察せられるのだけど、本土のメディアにそういう想像力は全くない。ほんと米軍が縮小してグアムまで撤退してくれれば済む話なんだよね。まあ、そのうちICBMはグアムやハワイやワシントンを射程に捉えるだろうけれど…。その戦争の最初の標的地が沖縄にされていることを、よかった、東京じゃなくってと思ってる人がいるっぽいんだよな。

 なんか、あまりに無責任すぎて体温がどんどん下がる感じ。

 

 テレビが、新聞が、どんどんダメになっている。

 ダメというのは番組内容(報道内容)がダメだというのはもとより、生理的にその暴力的な情報の一方通行にうんざりしてしまうのだ。マイアイドル堀潤氏のモーニングクロスを放送する東京MXさえ、最近はニュース女子沖縄ヘイト問題をやらかし、開き直りともいえるその見解にどんどん魅力を失っている。電通が関わるとメディアは全部死ぬのか?

 それで、メディアを変えてみようかと思った。ラジオである。

 さてと、皆さま、ラジオは聞きますか。

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カテゴリ:social | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | -
戦争の反対は「共存」~堀潤の「伝える人になろう講座」に参加してみた。~
評価:
¥ 3,175
コメント:ぜひ見てください。ヒトラーの言う正論に惹かれてる自分が明らかにいるのね。彼の弁舌、そして国民にどうアピールすれば自分が映えるかを知悉していたという点では神がかっていたと言います。是非自身の目でお確かめを!

tutaerukouza01 トランプ政治、なかなか興味深く見ています。まさかマジでイスラム教徒入国禁止措置をとるとはびっくり。そもそもアメリカはもともと多文化の国です。外来者を追いだせと言うならネイティブアメリカンを残してまずは白人から出て行きましょうと言う国が、こうまで国家に根付いた多様性を全否定する政策に出るとはびっくりです。

 私は、アメリカがどんどん弱体化して、滅んでいくことを望んでいますから、アメリカの国力を確実に弱めるこの政策には逆説的に大賛成です。中でもIT技術者に中東移民が多かったらしくグーグルもアップルも声高に異論を唱え始めましたが、仮に下層労働者が移民だったとして、失業したアメリカ白人は彼らの仕事の穴埋めをするのかね?するわけないよね。

 彼らは大した教育も技術もなくても、俺はアメリカ人なんだから尊重しろ!高い給料と素敵なホリデーを保証しろ!と言ってるだけなわけだから、置き換えられる下層労働はどんどんAIやロボットに置き換わっていくのでしょうけど(最近西友のセルフレジを見てびっくりした)最終的にロボット国家でも作るつもりなのかね。そうなると「アメリカの雇用」が守られるはずもなく、さてやはり溢れる白人労働者たちは今度は共産国家でも目指すことになるのでしょうか?

 アメリカで文化大革命とか起これば楽しいですねwそしてヨーロッパからユダヤ資本が一斉に逃げ出したように、アメリカから海外資本が流出すればアメリカなんて大英帝国ノスタルジーだけをよりどころにしているイギリス並みに縮小します。なんと素敵なことでしょう!私はネクストナチスはアメリカの可能性があると考えています。あの国を自由と民主主義の国だと考えるなんて噴飯もの!

 同じような分断は日本でも当たり前のようにあって、中華・朝鮮にルーツを持つ人たちを排斥して自分の値段をあげようとしてるらしいけれど、そんなんで国際競争力高まるわけないじゃないかよ。フェイクニュースに振り回されるネトウヨの人達はせいぜいアメリカの実験を見ながら自分たちの値段を上げるのが民族主義や血統主義ではなく寧ろ教育だということに立ち返っていただきたい。

 

 で、昨日アップしたばかりですが、書き残している記事を仕上げてしまいます。

折も折、モーニングクロスの堀潤氏が恵比寿新聞と共催(?)している「続・堀潤氏と学ぶ伝える人になろう講座」を先週水曜夜、聞きに行ってきました。

 この講座、情報がFBメインで発信されてるので、私気付くのが遅かったのですけどもうかれこれ1年くらい前から毎月開催されているようで、わ、もっと早く気付くべきだった!と思いました。何しろ11月のゲストはブルボンヌさんだったんですよ!オカマとしては見逃した感半端ないわ!

 会場は恵比須ガーデンプレイスの地下にあるオープンロビー「COMMON EBISU」なんと会費無料!参加者は高校生から70代まで、今回の講座は3時間超に及びました。頼む、入場料取ってくれよ!というくらいの濃い内容でした。(毎月第3水曜だそうです。興味ある方はFBで恵比寿新聞をフォローしてください。なま堀潤はとても素敵でしたw)
 テーマは「多文化共生」で、ゲストは職業ドイツ人のマライ・メトライン夫妻(夫は日本人)

話題はもちろんトランプから始まりました。

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オリバー・ストーン「米国は日本が背いたら日本の全インフラを止める悪意あるソフトを仕掛けている」
評価:
原田 マハ
¥ 1,728
コメント:少々重たかったですが色々なことを考えさせられます。戦争や暴力への抗議としてこの絵が描かれたのなら現代で最も断罪されるのはやはりアメリカだと思う。

 本屋大賞のノミネートが発表になりました。私が予言した『蜜蜂と遠雷』が入っててホッとしました。もう、断言する。とるよ、絶対。

 なかなかいいノミネートが並んでいるなと思っているのだけれど、やっぱりスケールを考えたら恩田陸以外あり得ないと私は思っています。予想通り直木賞をとりましたが、読めばわかります。大人と子供が並んでいる位くらい作品のサイズが違う。さあ、あなたも受賞前に読んでいっぱしの読書家を気取りましょうw

 

 といいつつ、どんなダークホースが出るかしらと、いま森見登美彦をキープしつつ、原田マハの『暗幕のゲルニカ』を読んでいます。恩田陸ほどじゃないけど(^_^;)大変面白い。

 NYのMOMAのキュレーターだった筆者が資料かき集めて書いたものだからそうそう史実に背くものは入っていないと信じたいのだけれど、美術史上のピカソの『ゲルニカ』の意味について素人でもよく分かるようにレクチャーしてくれる大変読み応えのある歴史サスペンスに仕上がっています。この本を読んでいると、ピカソの、そして原田マハの良心がひしひしと伝わってきます。

 物語はゲルニカの描かれた1930年代と2001年の911テロの後のNYを行ったり来たりします。

「暗幕のゲルニカ事件」…知りませんでした。今、ググって著者インタビューで確認しましたので史実ですが、911のテロ後、NYの国連本部でイラクへの空爆を発表する米パウエル国務長官の後ろにあるべきピカソのゲルニカが暗幕で隠されていたそうです。

 私、911の頃って今ほどちゃんと報道を読んでなかったからさ、それが日本に報じられたかすら知りませんでした。でも、これはゲルニカに描かれた反戦の意思を能天気な日本人にどうしても伝えたいと構想された小説です。フィクションもかなり混在しているとは思いますが、それでも現在の世界状況を考えれば読むべき小説だと私は思いました。是非ご自身で手にとってピカソの想いを受け止めてください。

 ていうか、そういう説明なしで子供のころピカソを不細工な女の代名詞にしてた自分が恥ずかしいわ(ー_ーゞ。でも凡人はあの絵を容易には読み解けないのよ!原田さん!

 

 で、何の話をしようかといえば、やはりトランプの話です。

『暗幕のゲルニカ』では、911後のアメリカのイラクへの不透明な空爆を明確に第2次世界大戦時のナチスドイツのスペインのゲルニカ地方への空爆と照らしてありました。

 アメリカがイラクに対してついに武力行使をする、それを国務長官が世界に向けて発表する場面から、何者かが<ゲルニカ>を消し去った。

 そして、その意図はあまりにも明確だった。

 空爆を仕掛けると発表する場面の背景として、人類史上初となったゲルニカ無差別空爆を非難する絵はあまりにも不似合だ。

 いいや、不似合を通り越して逆説的ですらある。世界の平和と秩序のために、悪の枢軸国家=テロリストと闘う正義のアメリカが一般市民を巻き込む無差別攻撃を行ったナチスと、まるで同じことをしようとしているかのようではないか。(81頁)

  トランプは大変評判の悪いアメリカの新大統領ですが、それでも私はやはりクリントンより百倍ましだったのではという意を強くしています。卑怯者国家のアメリカにふさわしい卑怯者の大統領が生まれたと。

 折も折、オリバー・ストーン監督が『スノーデン』の公開に伴い来日し、数社のインタビューに答えました。(記事末に全文)

 

>ヒラリー・クリントン氏が勝っていれば危険だったと感じていました。彼女は本来の意味でのリベラルではないのです。米国による新世界秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのがよいと信じていると思います。

 

 多分これがアメリカ国民の本能的な防御本能なのだろうと思います。クリントンはリベラルではありません。「コーポレートリベラル」です。この言葉は堤未果さんの著作で知ったのですが、アメリカは既に資本に支配された国です。世界の富んだ1%が自分の富をさらに増やすために政策を支配し、議会を支配し、国民の感情すら支配しようとする。そのためには国民への情報をコントロールし、どの情報を操作すれば国民が思うような方向に支持を広げるか計算し尽くして動いているのです。勿論その触手は日本にもすでに届いています。

 

>トランプ氏は『アメリカ・ファースト(米国第一主義)』を掲げ、他国の悪をやっつけに行こうなどと言いません。…米軍を撤退させて介入主義が弱まり、自国経済を機能させてインフラを改善させるならすばらしいことです。…トランプ氏はまともではないことも言います。かつてないくらいに雇用を増やすなんて、どうやって成し遂げられるのか私にはわからない。だがものすごい誇張だとしても、そこからよい部分を見いださねばなりません。…彼は、イラク戦争は膨大な資産の無駄だった、と明確に語っています。正しい意見です。第2次大戦以降すべての戦争がそうです。ベトナム戦争はとてつもない無駄でした。けれども、明らかに大手メディアはトランプ氏を妨害したがっており、これには反対します。トランプ氏がプラスの変化を起こせるように応援しようじゃありませんか

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カテゴリ:social | 01:22 | comments(0) | trackbacks(0) | -
ヤクザはLGBTと似た被迫害少数民族みたいだった。~東海テレビドキュメンタリー『ヤクザと憲法』~
評価:
高橋源一郎
朝日新聞出版
¥ 842
(2016-11-11)
コメント:ヤクザと憲法に関する論評はたぶんこれに収録されてるはず。映画本編はDVD化されてないようなので見る機会あればお見逃しなく。

 雑でも紹介する。

ただいま12月30日深夜 日本映画専門チャンネルで東海テレビ制作のドキュメンタリー『ヤクザと憲法』をやっている。

ちなみにこれ、新年1月9日21時にに再放送があるので、視聴環境にある方は是非ご覧いただきたい。

壮絶面白い。というかゾッとしてほぼ気持ち悪くなる。だから尚更見てほしい。

 そもそも暴力的な事と体質の合わない町田がこのドキュメンタリーを見ようと思ったのは今年2月25日の朝日新聞の論壇時評で高橋源一郎が取り上げていたからである。録画で再度丁寧に見てからと思ったが、それでは見ていただく機会を逸するので、今適当に記事にあげる。

 

yakuzatokenpou 先日諸般の事情で新しい銀行口座を作った。

 そこで求められるのは「反社会勢力」ではないという確認事項である。それがとっても気持ち悪いのだけど、銀行の窓口の人に、あたしも反社会とまではいかないけど順社会ではないと思うんですけど???とちょっと言いたい気持ちを抑えながらチェックするのがほんと気持ち悪いの。「反社会」ってなんなのさ。

 

 映画の中では暴対法に押さえつけられてまともな社会生活を営めない「暴力団」の人たちの生活が淡々とつづられる。こどもが保育園から通園拒否された、銀行口座が作れない、

保険に入って普通に事故修理の申請をしたら何の不正をせずともトラブルになって詐欺未遂で訴えられた。100%彼らに感情移入するわけでもなくてもなんかおかしいと言う印象を持たざるを得ない。暴力団に属していると、まともな市民生活が送れないとしたら、暴力団を辞めるだろう、そこまでの仮定はいいとして、今の社会に「元暴力団」を受け入れる仕組みはあるのか?辞めても5年は差別を受け続けると言うのに。


 私は超文科系なので暴力は嫌いです。痛いのも嫌いです。でも、「暴力団」という組織に人を送り出すような社会の斥力がある気がするんだよね、今の日本社会自体に。これは「売春」と「貧困」に関連する書籍を読んだ時も同じように思った。社会が社会の安定を維持するために、社会が判定した能力が足りない人間を否定して「売春」や「暴力」以外で生活できないようなところに追いやっているのではないかと。

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年賀状は贈り物代になると思う運動2017〜賀状はメールで、年賀状代は子どもたちへ〜
評価:
堤 未果
KADOKAWA/角川書店
コメント:絶望の元ですが、めっちゃ面白い。機会があれば取り上げます。

 今しがた12時を回りましたが、どうもサンタは来ないようです。哀しくもないわ(-。-)y-゜゜゜

昨日は糸魚川市で大規模な火災があって、100世帯以上が焼け出されたようで本当に胸が痛みます。この寒空、ある日突然、今いる場所が問答無用で更地にされる可能性がある。出火元の中華料理店の空焚きが原因とのことですが、店主もまさか自分の過失がこんなに多くの人を巻き込むことになろうとは…。神様も酷なことをします。死者が出なかったことが唯一の救い。

 

 年がら年中と言ってしまえばそれまでですが、年の瀬の日本に私はやっぱり絶望してます。東日本大震災以降いろいろ勉強しまして、ようやく日本の置かれているあらゆる合理的判断が無効化する異常な状況を理解しつつあるのですが、そうなると自分が「奴隷の子供」だったということにやはり絶望する訳だな。

 サンタよ、いるなら沖縄から厚木から米軍を焼失もとい消失させてくれ、とか言いたくなる。或いはこの込み入った状況を解決できる豪胆で繊細な政治家を靴下に入れてくれとも。


 私は、うっすらと、でも強く「神様」を信じています。こう書くと引かれそうですけど、個別の宗教がどうこう、というのではまったくなく、初もうでの神社に一銭もおさめず、死んだら坊主は要らない、便所に灰を流してくれと思っていても、私は実はとても信仰深いのです。それを一言でいうなら、私たちの意思ではどうにもならないものが世界にはあるという事実を謙虚に受け止めていると言うことです。2011年の震災から愈々6年です。あれだけの目に遭って、今でも原発を推進し、津波を巨大な防潮堤で防げると思っている人間の思考回路が全く理解できません。もう少し、時間軸を広くとると、ほんの70年前の第2次世界大戦で何千万人の犠牲者をだし、もう2度と世界戦争を引き起こさないと誓ったはずの世界では絶えずどこかしらで争いが起こり、来年にも世界中を巻き込み世界中を焦土にするような戦争が起こってもおかしくないような気配に満ち満ちています。

 私たちはぬくぬくと暖かい部屋でクリスマスケーキを食べています。でも、明日には糸魚川市の大火のような災害が起きて、すべてを失うかもしれない。それは日本では大変想像しがたいものでも世界のあちこちですでに起こっています。

  空爆の音が聞こえる。もし生きていられれば、明日もツイートする 。

そんなSNSからの子供の発信がここ数カ月相次ぎました。中には救われた子もいて、なかにはそのまま死んでしまった子もいるでしょう。私たちはそう言う子供の必死のメッセージも日常の「快楽」や「自己満足」として消費しがちです。だって、そのニュースを見聞きした足でクリスマスパーティーに出かけてしまうんですもの。

 

 神様とはなんだろう。そう考える時、わたしにはそれは他者と世界と地球への敬意に他ならないと思います。そんなことをぼんやり考えていて、漫画の神様 手塚治虫の『火の鳥』が思い浮かびました。手塚先生は、先日NHKの『100分de名著』でミッツ・マングローブらの出演で取り上げられ、その影響で私は今手塚先生の旧作をトイレでうんうん言いながら読み進めています。手塚先生は今から25年前にこの時代の不安を予見されてたんだと思うとほんとうにビビります。

 そして出来上がったのが掲載の賀状デザイン。鳥はどこに行ったんだ(笑)

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カストロとホモ~レイナルド・アレナス『夜になるまえに』~
評価:
レイナルド アレナス
国書刊行会
コメント:長いんですけどね、その長さを感じさせない面白さがあります。チェ・ゲバラやカストロの同性愛志向を示唆したパートもあります。どうなんでしょうかね、真実は。

「スカトロのホモ」ではない。
カナダ首相、カストロ氏への称賛コメントで批判と嘲笑の的に
(CNN 11/27) カナダのトルドー首相が、キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長の死去を受け発表した追悼声明をめぐって厳しい批判にさらされている。カストロ氏を「偉大な指導者」とたたえるその内容が、同氏によるキューバでの人権侵害や政治弾圧の過去を無視したものととらえられたためだ。
 トルドー首相は26日の声明でカストロ氏の死去に対して「深い悲しみ」を表明。「フィデル・カストロ氏は偉大な指導者としてほぼ半世紀にわたりキューバ国民に奉仕してきた。伝説的な革命家、演説家であり、キューバの教育と医療の著しい改善を実現した」とその功績をたたえた。
 その上で「評価の分かれる人物ではあるが、同氏の支持者も同氏に批判的な人たちも、キューバ国民に向けられたその計り知れない献身と愛情については認めていた」と語り、「キューバ国民とともに、この卓越した指導者の死を悼もう」と結んだ。
 これに対し、米上院議員でキューバ移民を両親に持つマルコ・ルビオ氏はツイッターに「この声明は本物なのか、それともパロディーか?」と投稿。もし本当にカナダ首相による声明なのだとしたら恥ずべき内容だと続けた。(記事末に全文)
 カストロ追悼の記事を書こうか迷っていたが、テレビがつまらなさすぎて、たまたま今付けたjam the world(JWAVE)でカストロについての話題があり、やはり書いておこうと、キーボードを叩いている。そんなにキューバのことを知らない。でも、私はトルドー首相のように左巻きなのでカストロびいきである。
 20年ほど前の『苺とチョコレート』という映画があった。時間を見て見返したいなあと思う。1994年、制作にキューバも加わっているので、そのころはいくらかでも同性愛者に対する風向きが変わったのかもしれない。(ただ、この映画岩波ホールへ見に行ったら当時抱えていた恋情と、なぜか痛めた腕の捻挫のせいで途中退席したと言う大変イタい思い出があるのだけれどorz)
 キューバと言えばレイナルド・アレナス『夜になるまえに』で、どこかで取り上げた気がしていたのに検索掛けても出てこないので、結局取り上げなかったのかもしれない。現物がないので当時の読書録から引きながら紹介したい。
 アレナスは同性愛の作家で、16歳でキューバ革命を迎え、反体制的な作品で30歳の時に投獄されている。37歳でアメリカに亡命、WIKIによると1987年にエイズに感染し、1990年に睡眠薬自殺で世を去っている。その彼の自伝的な作品が『夜になるまえに』である。

 私は調べて欧米のゲイ文学を読むことはないのだけれど、この作品もエドモンド・ホワイト『生きながら皮を剥がれて』と同様、たまたま手に取って読まされて、打ちのめされるような衝撃を受けた。オカマの一生みたいな。

 これを読んだ後、私は南アメリカに無茶苦茶行きたくなった。それは作品で描写されてる南米の同性愛に対する大らかさに勃起してしまったからであるw

たとえば…

 そのころ、浜辺に着くということは楽園みたいなところに着くようなものだった。若者は誰もがそこでセックスしたがっていた。誰かと薮にしけこもうという若者たちが何十人もいた。ラ・コンチャ海水浴場の脱衣場でいったい何人の若者にものにされたことか。この瞬間はたぶん二度とないだろう、いつ警官が来て逮捕されるかもしれない、だから思う存分楽しまなくてはと悟っていたのか、みんな必死だった。

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最後の警告 地震と津波
本間 龍
コメント:未読ですが非破壊検査の広告探しでまた本間龍さんにぶち当たった。地道な活動に頭が下がります。

 早朝の地震と津波でざわざわする。地震に起こされた。

 とりあえずの致命的な人的被害はなかったようでほっとしたが、私ごときでややトラウマのような呼吸不全の症状が起こるのだから、311で或いは熊本や鳥取で被災された方はもっと深刻だろう。

 311以降、地震があるたびこれが最後の警告かと思うことしばしば。地震も津波も正直仕方がないと思う。

 地震に地震計画書を出せと言っても出さないのは当たり前で、震度XX以上の地震は起こらないとか、XXメートル以上の津波は起こったことがないから来ないということはたぶん無い。そのたぶん無い、ことをこうも何度も何度も思い知らされてなお、地震と津波のせいだけではなく、そこに人間が建設し漫然と運用した原発がメルトダウンして、国内に広大な住めない土地を作ってなお人間が自然を制御できると思っている馬鹿者どもが政治を動かしている。

 ただ、地震で建物が壊れても、津波で土地がさらわれても、人が生きてさえいればまた建てればよい。次の方策を考えればよい。でも、原発は明らかな人災だ。地球をみすみす壊すような可能性のあることは最大限回避することが人間の知恵だろう。


sakuraiyosiko

 東電の社長が折も折、今日新潟県知事と会談する予定だった。

 つい先日、原発再稼働を求める全面広告が全国紙隠しに出稿された。(広告主は日本非破壊検査)更に櫻井よし子を起用した もんじゅ活用、脱原発反対を謳う頭おかしいんじゃないの?という広告も出て、日本って終わってるよなあと思うことが本当に多い。原発推進派の巻き返しをけん制するような津波の警告である。

 

 繰り返す。

 地震にも津波にも、予定表も計画表もない。我々の予想を守ってくれる義理も、思考もない。

日本では5月の熊本地震、10月の鳥取地震ときての今回なわけでどんどん間がつまっていることや頻度が上がっていることも考えれば、地震や津波が起こることは仕方がないけれども、それが本当の意味で致命的にならないように、自然の最終警告を聞き入れるべき時ではないだろうか。

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