映画『スノーデン』~アメリカが世界最悪のテロ国家だと言うことがたった2時間でわかる映画~
¥ 3,143
(2017-01-06)
コメント:映画の下になったローラ・ボイトラスのドキュメント映画。日本で発売されてるとは知らなかった。見てみたいですね。

 snowden映画館に金払って映画を見に行くことが消費税増税後めっきり減っていたのですが、昨年堀潤氏のお奨めで『帰ってきたヒトラー』を見て、さらに『シン・ゴジラ』を見て、三度のゴジラ見下ろす新宿東宝に映画を見に行ってきました。

オリバー・ストーン「米国は日本が背いたら日本の全インフラを止める悪意あるソフトを仕掛けている」(マチダタイムス)

 もちろん、「あらすじ」は皆知ってます。そりゃそうだ。「史実」なのだから。それでも見ようかなと思ったのは、オリバー・ストーン監督に敬意を表してのことです。先の記事で紹介しましたが、オリバー・ストーン監督はこの映画の配給をアメリカの主要な配給会社にすべて断られ、また、この映画を作ったことで今後アメリカでの商業映画の配給は難しくなるだろうとインタビュー(↑前記事参照)で述べています。だからこの映画は主にヨーロッパ資本で作られました。

 だから、私は思ったの。少しでも配給収入のお役にたちたいとね。少なくともこの映画で監督が大きな損失を被るような事態を避けなければならないと。そういう募金のようなつもりの映画鑑賞でしたが、予想以上に素晴らしい出来でした。

 

 私はこのブログで何度となくアメリカがこれまで行ってきた非道を非難する内容の記事をアップしてきました。それはある時は矢部宏治さんの『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』や堤未果さんの『沈みゆく大国 アメリカ』のプレビューだったり、或いは安倍政権の原発対応の無様さ、無責任さを糾弾する文章だったりしますが、私も当たり前ですが自分の影響力の小ささは十分承知してます。それでも伝えなきゃ、少しでもどうにかしなきゃと言う思いが、自己満足であろうとも私を長々とキーボードに向かわせるのですが、蟷螂の斧と言いましょうか、ノミの一嚙みと申しましょうか、それがどの程度のものなのかは知らないものでもありません。

 結構丁寧に一生懸命解説はするんだけど、長くなれば疎まれて、難しくなれば飽きられて、繰り返しになればウザがられる、もうその繰り返しで、もっと書きたくてもそれを抑制しながらこの前政治の記事を挙げたから今度はひま記事にしよ、っとか一応は考えながらアップしている。それがですよ、見て楽しい、ハラハラする、そして世界の危機の本質とそれを少しでも回避するための映像を皆さんがお金を出してみていただけるならそれに越したことはないじゃないですか!?

 オリバー・ストーン監督の『スノーデン』はまさにそう言う映画!どんなに親米の人でも、一度見ればアメリカって怖い国かも!スマホやパソコンに個人情報をアップするのは危険なことかもと理解してもらえる、そういうノンフィクションでありながら上質なエンタメに仕上がっているのがポイントです。

続きを読む >>
カテゴリ:art | 23:50 | comments(2) | trackbacks(0) | -
2016年の町田の三冊〜恩田睦『蜜蜂と遠雷』、『性と国家』、『リリース』~
評価:
恩田 陸
幻冬舎
¥ 1,944
コメント:直木賞、本屋大賞当確の1冊!

 あけましておめでとうございます。遅い新年のごあいさつですみません。

 

 本を読むのに忙しかった。遅読の私が言うのもおこがましいですが、後程触れますが、年末に読んだ『蜜蜂と遠雷』、今手もとにあって読み進めている森絵都『みかづき』、ともに500ページ前後の厚みがあります。腰を落ち着けなきゃ読めないようなのが立て続けに来たので、やや読書疲れ気味。

 でも、本はいいですよ。阿刀田高さんだったと思うけど「読書保険」として本を読む習慣をつけるべきだと言っていました。本があれば友達なんかいなくてもいい、本があればいくらでも時間が潰せる、そう思える人間は追い詰められにくいと思います。図書館に本を借りに行くと常駐しているような老人が新聞の数独やクロスワードを書き写したり、時にそのまま書き込んだり(ヾ(*`Д´)ノ)しているのを見ると、そんなにすることがないなら、せめて本でも読もうよと思います。働いていなくても、本を読む老人は孫に尊敬されますが、パズルとゲームとテレビをぼんやり見ている老人は邪魔者扱いされます。後者の老人は従順で無益無害な社会の飼い犬にもなれませんが、本を読み思索を巡らせば、齢80でも思想的な「テロリスト」や「革命家」になれるチャンスがあるかもしれません。ということで、町田のおすすめの2016年の3冊をご紹介したいと思います。まず1冊目

 

seitokokka佐藤優/北原みのり『性と国家』

 割と本読みの私ですが、もう一生に読める本のカウントダウンが始まってると思っているので、読もうと思う本に制限をかけています。例えばどれだけ話題になっても時代小説は読まないし、ベストセラー作家でも、もうこの人の作品はいいや、と思ったらよほど興味のあるテーマでない限り、次作は手に取らない。その中で高頻度で手に取るのは、マイノリティ、セックス(ジェンダー)、沖縄・原発の3テーマです。

 佐藤優さんは新作が出ると2作に1作は手に取っている気がします。21世紀の知の巨人。DNAの記事で取り上げた竹内久美子さんとの共著『佐藤優さん、神は本当に存在するのですか?』も面白かったですが、セックスに直接言及しているのでこちらを。

 

 やや議論がかみ合っていない場面も感じますが、性欲、性暴力、国家というキーワードで沖縄や従軍慰安婦問題が語られます。「従軍慰安婦に関する日韓合意が時間稼ぎで反故にされるだろう」と予言されていてさすがの慧眼だと思いました。

 ノンケの性欲とゲイの性欲(私の?)が違うなあと思うのは、「暴力的な性」「売買される性」への興味が圧倒的に薄いことです。暴力的に犯されたいと公言するオカマはたくさん見てますけどね、それも「いい男に」という限定がつく気がする。(私は相手を喜ばせてなんぼのセックスだと言う「哲学」がございます)ノンケは割と平気で暴力的なセックスが出来てしまう気がするのです。昨今の大学生のレイプ事件を見ても。普段チャンスがないから暴走しやすい。ここぞと言うときにねじ込みたくなるらしい。そして「それは本能だから仕方ないよね」という暗黙の合意の下、戦前の遊郭、赤線、蓄妾が「兵隊に行く男」や「男を再生産するシステムとしての国家」をコントロールする道具として利用された。でも、ほんとそれ、「男の性欲だから仕方ないよね!」って言っちゃっていいの!?という猛烈な反論が語られています。それは「従軍慰安婦・売春婦自己決定論」への反論だと言っていいでしょう。

 慰安婦に限らず(慰安夫≒売り専の可能性だってあるし)現代ではそれを主体的に自己決定している人もゼロではありませんが、昨年問題になったAV強制出演事案を見ても、その書類にサインしなければ家族に危害が及ぶ、私一人が我慢すれば丸く収まると思わせるような状況で、性産業に追い込んで行った「男社会」の論理が戦前から、現代まで続いているのです。女を道具としてしか見ない思考法と、LGBTを反社会的で人間的に欠落しているとみる思考法は通底しています。

 ノンケは「自分の妹や娘が」という仮定をつけなければ想像しがたいようですが、もし自分が監禁されて1日に40人の客をとらされる娼夫だったらと考えられれば、韓国社会が表面的な謝罪や手打ちで「水に流す」ことを受け入れられない理由を垣間見ることもできると思います。

 佐藤さんの本は中村うさぎさんとの対談本など面白い本が多数ありますのでぜひ手に取ってください。

で、もし、LGBTがマジョリティだったらという世界を描いた近未来SFを2冊目にあげましょう。

 

古谷田奈月『リリース』

 物語としては最終的に破たんしている、とも思ったのですがね。でも、すごいなあと思いました。ちゃんと読んでないのですけど、たまたま手もとにある『文学界 10月号』に伊藤氏貴氏がLGBT批判序説として、カムアするだけじゃもうLGBT文学なんかあり得ないじゃないかというような評論を書いています。そして出てきたLGBTが社会の主流であるディストピア小説。

続きを読む >>
カテゴリ:art | 01:27 | comments(1) | trackbacks(0) | -
ユーミンの遺影はLESLIE~松任谷由実『宇宙図書館』~
松任谷由実
¥ 3,335
(2016-11-02)
コメント:声だけ聴いてると、実はCGで仮想現実なのかも、この人、と思います。アーティストなんてAIにコピーされた一種の信仰になっていくのかもしれませんね。多分死後もユーミンであり続けるでしょう。

 ちゃんと紹介しなきゃいけないんだけど、ごめーん、書くタイミング外しそうだから、こちらでもう一回!

 再来週11月12日、熊本で復興応援ゲイナイトBEAST が行われます。全国からイケメンGOGOも多数襲来! もう、地震を心配する時期でもないのでぜひぜひ九州へGO!

 先着50名 熊本の人優先20名でパンツのプレゼントも!

 お近くの方も遠くの方も是非!

 

yumingisetanユーミンと伊勢丹新宿店がコラボ!「YUMINGと伊勢丹新宿店と130の出来事」開催!

今年130周年を迎えた伊勢丹が、1976年に伊勢丹のキャンペーンソング「YOU ARE MY SUNSHINE」を手がけたユーミンこと松任谷由実と40年のときを経てコラボレーション。メインビジュアルを気鋭の写真家レスリー・キーが撮り下ろし、新たなコラボレーションが実現した。→全文
 今、ラジオ聞きながら書いてます。
今日2日は松任谷由実 3年ぶり、38枚目のオリジナルアルバム『宇宙図書館』発売日で、なんでも伊勢丹新宿店からレスリー・キー&ミッツ・マングローブとオールナイトニッポンゴールドを生中継しているとな。
 
 ユーミンの新しいアルバムは、私買ってませんけど、試聴した感じでは往時のラブソングから逸脱してなくて好感が持てます。この人1954年生まれで還暦越えてるのよ!それで、ラブソングを歌えるのってやっぱすごいよ。以前中島みゆきを批判したのはどんどん宗教がかっていくいやらしさでしたが、その線をギリギリ抑えているのが悪くない感じ。声もよく出てる。凄いです。
ファンの方は是非。これが最後かもしれませんw
 前半はLESLIEとの2人の友情がいろいろ語られている。
 私はLESLIEそんなに絶賛しないけどね。たくさんの有名人ヌードを撮ってくれたことは嬉しかったけど、そこを神様にしちゃうのはなんかなーと思ってしまう。ユーミンは遺影をLESLIEにお願いしてるとか。LESLIEもユーミンだけ撮れれば他の誰も取れなくてもいいとか。まあ、わっしょい大会ではあるものの、シンガポール時代から聞いていたユーミンを、この人に会うと思い定めて日本に来て実際に被写体にしてしまう信念は見習うべきだなと思いました。
続きを読む >>
カテゴリ:art | 23:37 | comments(0) | trackbacks(0) | -
第25回レインボー・リール東京 間もなく!・三茶でBENTが上演(7/9~)
スコット ハイム
¥ 1,200
(2016-03-17)
コメント:東京レインボーリール上映作品『ミステリアススキン』の原作。北丸雄二さんが解説書いてます。

 映画の日に合わせて話題の『帰ってきたヒトラー』を見てきました。

なんと消費税増税後、私金払って映画館行ったの初めてだわ( ̄▽ ̄;A。そりゃあ個人消費も縮減するわけだ。滅茶苦茶面白かったです。考えさせるエンタメってほんとすごい。

 紹介しようかと思っているのですが、長くなりそうなのでまた後日。

 それで新宿に出ついででパンフもらってきた映画祭の告知をします。

 

 早くも7月で、どうも私のところには暑さは来ても夏!なんて来ないと思っておりましたが恒例のG&L映画祭が今年もやってまいりました。25周年で名称を東京レインボーリールに変更。分かりにくいんじゃない?それは??と 個人的には 思ってます。テツヲタの夏フェスと勘違いされそう。内容自体は恒例だし、プライドも盛り上がったのでそれなりに盛況なものになると思います。


chekka-dekatuhouhou

【第25回レインボー・リール東京 〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜】

◇2016年7月9日(土)〜7月15日(金)  @シネマート新宿 ※夜間のみの上映
◇2016年7月15日(金)〜7月18日(月・祝) @スパイラルホール

 

 オープニングは韓国映画『チェッカーで(毎回)勝つ方法』。幼心に芽生えた同性愛的感情を描いた佳作だそうですが、少々地味じゃね?

 話それますが、萩尾望都先生の『ポーの一族』の続編が月刊FLOWERで40年ぶりに続編が掲載され、なんと異例の増刷完売があったそうです。少年期の同性愛的ファンやジーという意味では腐女子もゲイもすっと入り込めると言うセレクトでこの作品がオープニングになったのかな?興味はあるけど、私は同性愛映画にエロを求めがちな人なので、私向きではないような(^_^;)

 では私向きはどれかというと、以前上映されたことのある『リビング・エンド(デジタル・リマスター版)』(DVD出るのか?AMAZONでググったらVHSしかなかった)や軍高官を父に持つ少年が同世代の少数民族の少年と性に目覚めていくインドネシア映画『虎の威を借る狐』、18分間の衝撃のセックスシーンがすごいらしい『パリ 05:59』、少年虐待とか売春とか一瞬文字だけで勃起した(萩尾望都 『残酷な神は…』を思い出した)『謎めいた肌』を原作とする『ミステリアススキン』などいずれも興味深いです。

 リンク先に予告編が掲載されてますので、ご興味ある方は是非ご覧の上、チケット購入を検討ください。

続きを読む >>
カテゴリ:art | 01:11 | comments(0) | trackbacks(0) | -
多分目覚める人がいる~蓮實重彦『伯爵夫人』~
評価:
蓮實 重彦
新潮社
¥ 1,728
コメント:元東大総長が指に任せて描いたポルノ小説としても風刺小説としても読める興奮請け合いのカストリ小説。

 参院選が公示。

 いろいろと不愉快なことありながら、与党もひどいが野党も無残。 一度、どっかでまとめた記事書きます。 都知事選は元鳥取県知事の片山さんが出馬するという噂。期待したい。本当は田中康男さんに出てほしかったけど参院選出馬でならず。せめて参院選、東京選挙区の方、田中康夫に一票よろしくお願いします。

 

 さて、三島賞受賞の不機嫌会見で話題になった蓮實重彦『伯爵夫人』が滅茶苦茶面白かったので、紹介したい。蓮實重彦氏の自伝的体験を交えた、妄想小説らしいが、ほんとうに揮っている。

 私が未成年なら、オナニーできるくらい素晴らしい純文学だと評させていただきたい。文体だけ見ると明治の文豪かとおもいきや、熟れたオマンコ、だの、おちんちん、だの、魔羅だの睾丸だの、朗読すると大変楽しかろう言葉が頻出する。

 まず、この文学を楽しみたい方は是非とも「朗読会」を開催していただきたい。それは美文調ゆえの目だけで読むと読みにくい、という難点故である。やっぱ改行の少ない、難読漢字多数の「カストリ小説」wは意外に現代の読者には敷居が高いのだ。檀蜜さんで、CD文庫として売り出すとバカ売れすると思うので新潮社にはお願いしたい。映画化してほしいけど、無理だろうね。まあ、せっかく映像化して無粋なモザイクがかかるような出来の作品を作者が許可するとも思えないし、海外で映画化したものを無修正で観たいものだ。

 

 さて、何がすごいかって、私がどうこう言ったって多分伝わらないので、この後本文の引用を紹介する。

 文学的なヰタセクスアリスを持っている方は多数いらっしゃると思うのだけれど、私にとってのそれはヘルマン・ヘッセ『車輪の下』や三島由紀夫『仮面の告白』でした。簡単に言えば、それ読んで自分の性癖に気付いたってわけだな(ー_ーゞ

 

 最近、竹宮惠子『少年の名はジルベール』を読んだら、やはり『車輪の下』のほか栗本薫先生がエッセイ(『美少年学入門』)で伊賀の影丸 第三部で、影丸が「つり下げられてサルグツワはめられてブッ叩かれて、それだけならまだしも、彼が気が付くと、振袖のオベベは脱がされて白い長ジュバン一枚にされちまっており、(これ今でも脱がせる必要性がわかんない)そのゴーモンする不細工なおっさん忍者はしっかりサルグツワかませといてからに「さー吐け、さーしゃべれ」と無茶なことをほざき(口ふさがれてしゃべれるか、バカッ)それだけならまだしもあまりにも、とどめを刺すようにヒワイなことには、この子がさんざ叩かれたり、水につけられたりしてる小屋の外で、この子を助けに来た兄ちゃん二人が「うううっ」といって苦しんで身をよじったりしてる」ことにいたく興奮して絶賛していたのと同じ場面で竹宮先生も興奮していたという記述があった。すげーなー、同世代のエロの記憶って!

 

 それと同じように、のちのちにこの小説のこの部分が、誰かの性癖に決定的な影響を与えるようなそういう匂いが少なからず立ち込めていたのがこの『伯爵夫人』でした。主人公の帝大受験を控えた童貞青年が、あちこちで女にチンコをいじられたり、射精したり、彼を誘惑する件の伯爵夫人は巨根の性絶技荒武者のような男3人の前に引きずり出されて順番に蹂躙されて嬌声をあげたり、Mの方にはたまらない描写頻出であります。

 舞台が日米開戦前夜に設定されているので、初出時「セックスは戦争に勝つ!」という風に新聞論評がでましたが、一昨日朝日新聞に掲載されたインタビューでは著者自身にその意図はないとのこと。それが本当かどうか、実は仕掛けられた罠や思想的な毒なのか、ぜひ実際に読んでお確かめくださいませ。

 以下、気に入ったところを抜粋しました。単行本発行時に開校されている部分もあるかと思いますが、お愉しみください。

 気が付くと、二朗は、下半身丸出しのまま、濱尾の家の応接間のソファーに寝かされていた。濱尾の母親が濡れたタオルを額にあてがいながら顔を覗き込み、年かさの女中が二朗の陰茎を指先でつまんで左の股に向けてぺたりと倒し、冷たい氷嚢を右の睾丸の根元にあてがおうとして股間を思いきり開かせようとする。思わず両手で隠して股を閉ざそうとすると、女は凛とした姿勢で彼の手で払いのけ、しばらく動いてはなりませぬ、ここはわたくしどもにどうかお任せ下されと語気を強める。やっぱり、このおれは何かの罪を犯して女たちに裁かれているのかもしれない。(2016年4月 新潮22ページ)

続きを読む >>
カテゴリ:art | 00:26 | comments(0) | trackbacks(0) | -
蜷川シェークスピア『ジュリアス・シーザー』の同性愛的描写
評価:
ポニーキャニオン
¥ 9,500
コメント:舞台で見るより阿部寛の美しい横顔がアップで観られて飽きが来ない。舞台美術が素晴らしい。

yuriasuseaser  短く。
 アメリカのゲイ向けナイトクラブでアメリカ史上最悪の銃乱射事件が発生した。ご冥福を祈る。というか、毎日のように発生している中東の自爆テロにわたしはご冥福を祈ったことがあるだろうか。ただアメリカのスポーツイベントで乱射事件が起こったら私はほら見たことか、と思ったはずだ。平和的だと言われるLGBTも憎悪の連鎖から逃れられない。

 たまたまつけたら LaLaTVで蜷川演出の『ジュリアス・シーザー』がかかっていて、録画したら見ないのでそのまま流している。春から毎月蜷川シェークスピアを放送しているのだが、長いのと普段見ないチャンネルのせいで見逃していた。既婚でありながら同性愛志向が囁かれた蜷川の舞台を改めて見たら、原作のせいなのか演出のせいなのか、端々に同性愛を匂わせる表現があってつい見入ってしまった。
 あらすじはみんななんとなく知っている「ブルータス、お前もか」のローマの英雄 ジュリアス・シーザーが吉田剛太郎演じるキャシアスにそそのかされた阿部寛演じるブルータスらに殺害される。シーザーの暗殺を正当化しようとするブルータスらの意図に反してシーザーの腹心アントニー(藤原達也)の弔辞が群衆を動かし、キャシアス・ブルータスらは追われていく。

 登場人物が皆、誰かへの「愛」を口にする。英雄シーザーへの、若きブルータスへの。 シーザーを取り合った末にシーザーが殺されたようにも思えるし 男と男の三角・四角関係のもつれの末に歴史が動いたようにすら見える。、中でもブルータスとキャシアスの諍いの後の抱擁シーンは男役の阿部寛に、赤い襦袢のような部屋着をまとった吉田剛太郎がまとわりつくほぼほぼBL表現であった。私も阿部ちゃんに抱かれたい。キスするかとマジで思ったがさすがにそれはなかった。他にも阿部や吉田が部下に命じて自害する場面もほとんど心中のごとき愛の言辞がほとばしる。
続きを読む >>
カテゴリ:art | 13:35 | comments(0) | trackbacks(0) | -
原発事故後のパラレルワールド~桐野夏生『バラカ』のリアルさに怯える~
評価:
桐野 夏生
集英社
(2016-02-26)
コメント:ミシェル・ウエルベックの『服従』とも近い、私たちがたまたま辿らなかったがこうなったかもしれない世界を描いて現実への問題提起をしている。3年後こういう世界にならないとは限らない。

 野党がまともな準備をできない間隙をついてまた同日選で日本は全体主義に向かうのか?と思っていたら、この不景気、消費の低迷で思うほどの得票を見込めないと踏んだか、現状7月10日の参院選のみの予定である。知事選が乗っかるかどうかは微妙。
 私の敬愛する元長野県知事田中康夫氏が、おおさか維新からの出馬を探っている。え?維新???とも思うけれど、彼によれば現状民進党は自民の補完勢力なのだそうである。私もそう思う。
「偽自民」
 偽自民のDNAが色濃いのは山本モナとの不倫をスクープされた細野豪志や前原誠司、 元代表 海江田万里、野田佳彦あたりかなと思う。中でもわざわざアメリカで、共産党との共闘はない!と敵に塩を送るような会見を行った細野は実に信用が置けない。あんたの目的は何?アメリカに媚を売る事??という気が俄然してしまった。これに限らないが、「アメリカで会見」「アメリカで発表」という状況があればそれは100%信用してはならないことだ。古くは呆け老人 石原が尖閣の東京都購入をぶち上げたのもアメリカだったし、安倍が安保法成立前に演説を行ったのもアメリカ議会だった
 宗主国のご機嫌伺いの演説はリップサービスで済めばいいが、大抵は大きく国益を損なう力学が働いている。細野が共産とは組まないと断言したのも少なくとも自民に利することはあっても、野党の共闘選挙戦略を利することはない。獅子身中の虫というのはこういう輩のことを言うのだろう。民進党が嫌われているのはそういう内部分裂が必ずしも国民益にかなわないと見透かされているからではないだろうか。
 おおさか維新も?マークが100個くらいつく政党だが、現状彼らの示す憲法改正案は自民のそれとまったく別個のものである。にもかかわらず彼らに投票すれば「改憲賛成派」の「レッテル張り」が行われそうで、どうなの?とも思うけれど、言ってる私がリベラルの改憲派なので、もしオタクの選挙区の維新がましなら維新に投票するのもありなのだろう。比例区では今日生活と社民が共同名簿を作成することで合意した。民進が乗るかでだいぶ違うが、共通名簿作成は民進党の本気を見るバロメーターにはなりうるだろう。

 割と絶望はしているけれども、皆さん選挙には行ってほしい。そして反与党に一票を投じてほしい。与党に過半数をとらせないでほしい。伏してお願いする。

 さて、震災から5年、オリンピックまで5年の日本のパラレルワールドともいえる恐ろしい小説を興味深く読んだので是非とも紹介したくキーボードを叩いている。
桐野夏生『バラカ』
 桐野さんの近作はほぼ読んでいるが、これだけの熱量の小説は稀だ。だが、この作品はあらゆる文学賞から疎外されるだろう。
当代10本の指に入る人気作家だけに書評は出る。でも、これが本屋大賞にノミネートされたりはしない。そこには多分、いとうせいこうの『想像ラジオ』が本屋大賞をとれなかったのと同じ力学が働いている
 ぜひとも、読んでほしい。買って損なしの近未来小説だ。
後半の拙速なまとめ方に異論はあれども、滅茶苦茶面白かった。浦沢直樹の『20世紀少年』の風情があるが、311を織り込んでいる分、よりリアルで、より終末に近い日本の未来を暗示する絶望小説だと言ってもいい。
続きを読む >>
カテゴリ:art | 20:59 | comments(0) | trackbacks(0) | -
『美術手帖』に池内博之全裸(レスリー・キー)~ついに美術誌が男性ヌード解禁~
評価:
---
美術出版社
(2016-03-17)
コメント:レスリー・キー×池内博之、野村佐紀子、木村了子、湯山玲子、田亀源五郎他。

bijututechou01  すげー。1700円もする美術誌が、AMAZONアート部門第一位だとよ( ̄▽ ̄;A
木村了子さんのTW情報で右のおすすめ商品欄には数日前からあげてましたが、今見たらAMAZONの直販は品切れ。欲しい方はまずお近くの書店に注文してください。
 で、マチダも買いましたよ。生まれて初めて美術雑誌なるものをw

 まず感想。オールカラーと言えど、A5サイズの雑誌にしてはお高め!薔薇族やBADIより高い!そして今回のメールヌード特集は全体の4割くらいで、あとは当然ながら通常編集なんですよね。すいません、金沢の美術館に興味持てるほど高尚な人間じゃないんですorz
 ただただいやらしい気持ちで、池内君の裸目当てで買っただけなんです。だから、今度企画する時はお願い!特集ムックにして!
 木村了子さんが興奮絶賛するだけあって、なかなかの見応えではありますが、どこかで既視感あるんだよね…。それは知っている人は知っている『別冊宝島』でした。『ゲイの贈り物』『ゲイの学園天国』『ゲイのおもちゃ箱』、もう一冊くらい出てた気もしますが、ギリシャ彫刻や宗教絵画にまで男の裸を求めてしまうような雑誌が昔はたくさん出ておりました。内容はそういう往時のサブカル誌を彷彿とさせます。
 内容は随分グレードアップしてますよ。田亀源五郎、三島剛、長谷川サダオさんも「淫画作家」ではなく、アーティストとして取り上げられている。で、田亀氏のインタビューや湯山玲子さん(メンズ温泉)の対談など多数掲載されてますが、すいません、まだ裸しか見ていない(笑)
 
 目玉のレスリー・キーの池内君ヌードはこれだけの量をとっていることから見て近々『SUPER 池内博之』の発売がある可能性が高いとにらんでいます。そっちもどうせお高いけど、男性ヌードのみを鑑賞されたい方はそれを待ったほうがよいかもしれません。
 男性ヌードがARTになったのは男性が変わったからではありません。ゲイと女性の購買力が増したからです。古今、男どもは春画、淫画、宗教画含めて、女性ヌードを芸術と言い訳しながら鑑賞してきたのですから。
 最後に、何枚か差支えのない程度に内容画像を掲載しておきますが、編集部に怒られては嫌なので折を見て削除するかもしれません。
皆さん、ゲイ術をもっと楽しみましょう!
続きを読む >>
カテゴリ:art | 15:11 | comments(2) | trackbacks(0) | -
うもれ歌:みうらじゅん『男キッス』がやばい!
 例によって、放置ごめんなさいから始まる久々の更新。手間のかかる原稿が書けない!
(書いてないのにアクセス多いと思ったら清原でした(゜-゜))
otokokiss
 で、唐突に書き始めたのはNHKBSの『COVERS』(2月8日放送/MayJ)のうもれ歌で紹介されたみうらじゅん氏の『男キッス』のPVを見て思わず吹いたからである。
 私、この歌、サビの部分を聞いた記憶があるのに、当時受け入れ拒否だったからか、芸人のコミックソングだと思ったからかまったく未チェックでしたが、今聞くとすごいです。
 リリーフランキー氏によると、
『一時期みうらさんが男同士仲がいいのになんで男同士キスをしないんだ!って言いだして、『男キッス』って曲を作ったんですけど、流行らせようとして大失敗したっていう…これはもう、はんなりカミングアウトじゃねーかっていう』
と いう爽やかで楽しい曲です。みうらじゅんが正面からこの歌を着想したと思えばかなり楽しい。みうらじゅん氏とキスしたいとは思わないんだけど、思えばなんでキスってしたいんだろう。キスがなんでエロいんだろう。いいじゃないか、好きな人ともっと気軽にあいさつ代わりにキスしたって!!と思うと、キスという 行為にもかなり文化的なバイアスがかかっていることを教えられたりします。
 男とキスなんて気持ち悪いよ!と思ったそこのノンケの皆さん!そうでもないですよ。今度お試しください。
 あと、2丁目に来てるノンケ男子だと勢いでキスを受け入れるので、勇気のある方お試しください。(彼らは2丁目で男にセクハラされることをお化け屋敷のアトラクションくらいにしか考えていない)
 PVのストーリーも素晴らしい。長髪ヤンキーと言う特殊テイストな男と昭和30年代くらいのおしゃれでない学生風情の男子がキスを模索するという空耳アワーにしか思えない斬新で懐かしい映像!

では、歌詞と一緒にお楽しみください。(トータス松本に歌って欲しい)
男キッスたぶん作詞みうらじゅん)
続きを読む >>
カテゴリ:art | 01:42 | comments(0) | trackbacks(0) | -
今と未来は繋がっている~又吉直樹『第2図書係補佐』~
評価:
又吉 直樹
¥ 535
(2011-11-23)
コメント:文章上手い。本紹介に名を借りた芸人エッセイ。貧乏時代の若き又吉君が偲ばれます。

 あけましておめでとうございます。
 あまりに書いてないので、だらだら書きます。正月明けたら暇になるはずが、暇になったら暇になったで何もしない。大掃除なんか年明けてからやるわー、と言ってたのに相変わらず部屋は倉庫のように散らかって埃まみれです。
 いくつか書きたいトピックもあるのだけど、まとまらないのと整理してないのとで手がつきません。数年前から突然はじめた恒例企画『XX年 町田の選ぶ3冊』という本紹介企画とかませて、そのうち昨年取り上げられなかった本でも紹介しようかなと思っています。

 近年ほんとに正月がいや。寒いのもいや。帰省して親戚と顔あわせるのもいや。で、そもそも365日って何のキリやねんと思います。年々時間が経つのが早くなり、体も衰え、正直メンテしないといろいろやばい。時間というものが大変呪わしいです。
 こうやって追われて毎日を何となく生きていると、何となく年を取って、何となく死ぬので、今更未来のことなんか考えたくもないのですが、読んでくださってる方には未来がある方もいるでしょう。またそのうち別稿で触れますが、昨年はLGBT元年と言っていい1年で、法整備されたわけではありませんが、LGBTを巡る環境は一気に周知が進んだように思います。
 正月、諸事情で近縁者にカムアしましたところ、親経由で伝わっており、「パートナーはいるの?」と聞かれてざわざわしました。胸を張って「いません」といえますけど、ほんとはパートナーが出来てからカミングアウトしたかったものだわねー(-。-)y-゜゜゜そういう夢はもう見られないのかしら。というように、10年前には想像もできなかったことが10年たつとやはり動いていたりするのですね。

 昨年の出版界は又吉直樹『火花』フィーバーでした。『火花』自体はさほど面白い小説だとは思いませんでしたが、又吉さんは昔から好きでオイコノミアをずっと見てるので、このブレイクによる本人の困惑と立ち位置の不安定さにもどかしさと面映ゆさを感じたりしています。
 『火花』のついで本で『第2図書係補佐』という又吉直樹による本の紹介本を読みましたら、ちょっとびっくりするような「予言」が書かれていたので紹介します。この本、書籍の紹介本としてはあまり用をたさないのですが、エッセイとしては手練れで短い中に盛り込まれたエピソードにいちいち引き込まれ、文章の巧さにまた引き込まれます。なるほど、西加奈子が小説書けって勧めるはずだわ。そしてその本の中のエピソードになんと又吉直樹の大ブレイク(?)が予言されていたのです。
 玄侑宗久『中陰の花』の紹介エッセイに変な占い師が出てくるだけのつながりで、又吉直樹の占い体験が綴られています。その中で友達に誘われてみてもらった横浜の占い師にズバズバといろいろなことを当てられます。
「長男だね。実家はもう離れたんだ。感受性強いね。本とか好きでしょ?」
続きを読む >>
カテゴリ:art | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | -
| 1/11PAGES | >>