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日欧EPA発効で国産牛乳が消える!/堤未果『日本が売られる』
評価:
堤 未果
¥ 929
コメント: 不愉快極まりない日本の政治の汚泥がこれでもか、これでもかと並べられ、腹は立つけど、非常に軽快に読み進められます。あらゆる政治的な議題は最低限これくらいの基礎知識を持って議論しなければ何も進まないなと思いました。必読です!これから国民は戦っていけるのでしょうか?

 告知:日本のゲイ・エロティック・アート展/3月5日(火)〜3月17日(日)/入場料1000円(前売り)@銀座ヴァニラギャラリー

だそうです。元気あったら行くかも。でも銀座は遠い。

 

 昨日は節分。

 通りがかりの神社の豆まきで豆を貰ってきましたが、この福豆は国産だろうか、海外産だろうか?と思いながら食べている。海外産なら遺伝子組み換え大豆だよな、などとちょっと気になる(゜_゜)なぜ気になるかと言えば、それが実は日本の未来の話と直結しているからです。

 

 堤未果『日本が売られる』読了しましたが、あまりにチェックポイントが多くて整理中です。

でも、こんなにもひどい事実を日本人が知らないでいいものか、と強く思ったので、いくつかの分野、昨年話題になりつつも何が問題なのかわからなかった、種子法、水道法、TPP(EPA)などについて、いくつかトピックを立てて、記事で解説します。

 安倍政権で日本終わった、とほんとに思いました。どうしようもないところまで来ている。私は売国奴が政治を牛耳るとこう言うことをするんだと、政権の悪魔的な悪知恵(正確にはアメリカの悪だくみと日本の猿知恵)と愚民のリテラシーの無さを慨嘆してます。

 とりあえず本稿では先に発行した日欧EPAについて、日本の酪農にどういう影響があるかを解説します。

日欧EPA発効=ワイン、チーズ、食品値下げ−巨大自由貿易圏が誕生

2/1(金) 0:30配信

 相互に貿易品目の9割超の関税を撤廃し、通関手続きなどを簡素化。知的財産権の保護を厳格化する共通ルールなども導入された。小売業界では早くも関税削減による仕入れコストの減少を見込み、欧州産ワインの値下げを始めており、消費者が価格低下の恩恵を感じる機会も増えそうだ。

 この数日、庶民は大歓迎目線で流れているこの手の報道。

 これが日本の酪農(ひいては農業全体)を崩壊させる序章だと気付くことがありましょうか。私も、そんなにチーズ食べないけど、悪いことだとまでは思わなかった。でも、チーズやバターが自由化されて大量に日本に入り込み、日本産のチーズやバターが売れなくなると、日本人は近い将来、国産の安全な牛乳が飲めなくなるという、システムになっているのです。

 それを安倍政権が外資に売り渡した!ヾ(*`Д´)ノ

 解説します。

cheeseshouhiryou  ニュースを見ていても、個別の事実が伝えられるだけで何も入ってこないのですけど、2018年7月17日に署名された「日欧EPA」で、日本政府は全く日本の国産チーズを守りませんでした。

 ネット検索で素人が基礎データを検索しても、ましてや、統計自体に偽装があるらしい日本では当てにならない可能性があるのですけど、2015年のチーズの総消費量は32万トンくらいだそうです。

 そこに日欧EPAでニュージーランドやオーストラリアに「アメリカが日本に輸出するはずだった3万トンもの輸入額を自分たちの取り分に入れ、合計7万トンの輸出枠を」与えてしまった。更にこれからアメリカと再交渉した場合、アメリカは最低でも当初の3万トン、それ以上の輸出要求をしてくるのは間違いないので日本には今後、7万+3万=10万トン+α の乳製品が非課税で流れ込んでくるのです。

 このチーズの統計だけだとバターや脱脂粉乳などが含まれていませんが、国内生産量が5万トンしかない市場に今後数10万トンの海外乳製品が非課税で流れ込んだ場合、国内酪農業がもつと思いますか?

東京大学大学院農学生命研究家の鈴木宣広教授はこの条約で国内の乳製品生産高が最大2003億円減少する事を指摘「関税がなくなりやすい乳製品が大量に入ってくると国産牛乳が消えるだろう」と警鐘を鳴らす。(88ページ)

 チーズやバターが海外産に置き換わっても、牛乳を作ればいいじゃない!

そう思うあなた!冬に牛乳をたくさん飲みますか?私、夏は週に2L半消費しますが、冬は1Lです。じゃあ、その期間余った牛乳をどうするかということに、チーズやバターの生産が絡んでいるのです。

 

 酪農家から生乳を集めた農協がメーカーに渡す時には、まず日持ちのしない牛乳と生クリーム用に出荷し、次に価格が安いので先に出す量を決めたチーズ用、最後に残った分の生乳で、保存期間の長いバターと脱脂粉乳を作る。
季節によって生産量と消費量が違う生乳は、夏は足りずに冬は余るので、余った分はバターと脱脂粉乳に回し、足りない時はバターと脱脂粉乳を輸入する。つまり、関税をなくして、全部安い輸入品に置き換わると、冬に余った生乳が行き場をなくしてしまう。バターと脱脂粉乳を作るのを冬だけにする、と言っても冬だけ工場を動かすのでは採算が取れない、上に春夏秋だけ社員を解雇するのも難しい。牛に乳を出すなとも言えない。廃棄すれば当然経営は成り立たない。

 つまり国内産のバターやチーズ製造は日本の乳産業の調整弁になっているのです。

 

 ここで出てくるのが「日本も戦える農業を!日本産チーズを輸出すればいいじゃないか」という弁。

 確かに一戸あたりの牛飼頭数を見るとトップは149頭のデンマークですが、ドイツ54頭、フランス51頭、日本は48頭(北海道は68頭)と肩を並べている。だが、ここには政府が語らない真実が一つ。

 国が農家を守るレベルが EUと日本では桁違い。

 フランスの農家は収入の9割、ドイツは7割を政府の補助金。それに対して、日本の政府補助金はわずか4割弱。民主党政権で農家の所得を保障する補助金制度が始まったが、安倍政権が半分に減らし2019年は再びゼロに。

 さらに餌代の問題も酪農家の頭を悩ませる。

 1961年、大規模化を進める建前で、日本政府が出した農業基本法で家畜の餌は海外から輸入することと決められたが(これもアメリカからごり押しで押し付けられたのではないかと思う)その結果、えさの9割はアメリカ産(遺伝子組み換え)トウモロコシになったが、輸入する以上、為替レートや輸送用の原油価格の高騰がすぐコストに跳ね返る。アメリカ産トウモロコシの価格は2004年から10年で3倍に上昇。アベノミクスの円安も加わって、1963年に42万戸あった酪農家はどんどん減って、今では1万7000戸。国内バターの9割を生産している北海道では年間200戸の酪農家が消えている。

 中には極力輸入トウモロコシに頼らずに、昔ながらの牧草で牧場を営んでいる酪農家もあろうが、そこで思い出されるのは広範囲に放射能がばらまかれ国土を汚染した福島の原発事故。少なくともあのあたり一帯の酪農家は牧草を与えることを断念、もしくは禁止されたはずです。

 

 また、日本の農業は農協によって守られてきた側面も大きい。

「農協は日本の岩盤規制だ、抵抗勢力だ!撤廃せよ」と声をあげるゲスな政治家や企業家が多い中、堤さんは、農協がいかに小規模零細の酪農家を守ってきたか丁寧に説明します。にもかかわらず日本政府/安倍政権は財界の要望に応えてその仕組みを壊そうとしている。

2017年6月9日 改正畜産経営安定法成立
農協が酪農家から生乳を全量買い取る「指定団体制度」は廃止され、これにより農協を通さずメーカーに直接売る農家にも補助金が出るようになった。
「指定団体制度」とは、流通経路のない中小の酪農家が日持ちのしない生乳を乳業メーカーに売る時に弱くなる立場を、間に農協入れて小規模農家が買い叩かれないようにするために作った制度
生乳は天候や牛のコンディションに大きく左右されるが、価格交渉力を持ち、用途にかかわらず平均価格を払ってくれる。「指定団体制度」があれば生産者は価格変動を心配せず、質の良い牛乳を作ることに専念できる。(91ページ)

「酪農の大規模化のために農協が零細企業保護しているので大規模化が進まないのだ。」(規制改革委員会 オリックス会長 宮内義彦)

「酪農を本当に成長産業にしたいなら農協は反対しないはず」(岡本素之内閣府規制改革会議 議長(住友商事))

しかし、その規制改革委員会とやらには酪農家も農業の専門家も誰も入っていない。こんな人たちが、「安くできないなら、お前らから買わないぞ」と日持ちのしない生乳という商品を恫喝して買い叩こうとしているなら、日本の酪農には未来はありません。

 

 さらに、仮に日本の中小酪農が全滅して(アメリカはそれを望んでいます。いずれ他の記事で書きますが、彼らは日本の農業を株式会社化し、大規模資本が入れるようにし、消費者の健康など度外視したただただ利益追求型の無人農業に変えたいのだと思います)日本国内で牛乳が生産できなくなったらどうなるか。

 その時はアメリカで生産された成長ホルモン入り牛乳が大量に輸入されることになるでしょう。

あるいは国内の関連法が「規制緩和」され、日本国内でオリックスなどの農業法人が運営する大規模無人牧場で買われる牛に成長ホルモンがバンバン打たれた結果としてドバドバ出た牛乳がスーパーに並ぶことになるでしょう。

 

 この成長ホルモンというのが、カナダ政府や欧州委員会が発がん性があるとして輸入を拒否している遺伝子組み換え成長ホルモンγBGH(ガンマBGH)というなかなかにおぞましい代物で、1993年にあのモンサントが開発。

 牛のミルク生産量を最大40%も増やす上、成長速度が速くなりエサ代が節約できるホルモン剤。肉は柔らかくなり、量が増え、牛の性格は温厚になる、という夢の注射なのですが、アメリカ国内ではその発がん性報道は封じられ、1998年になってようやくイギリスの科学誌が報じ、「γBGH反対運動」が起きる。

 FDA(アメリカ食品医薬品局)の安全性のお墨付きですが、成長ホルモン自体を気にしているEUはアメリカの言うことを信用せず、93年以降輸入禁止措置をとっています。対抗してアメリカがWTO(世界貿易機関)に提訴すると EU はすぐに科学的証拠を耳を揃えて出したうえ、今度はアメリカ産牛肉を全面輸入禁止にしました。

 

 この成長ホルモン残留牛肉を食べた乳児の乳房の巨大化(女装は喜んで飲むかもしれないw)や、初潮開始などの報告が出ており、EUはWTOの警告を無視し、頑として米国産成長ホルモン入り牛乳と牛肉の輸入禁止を続けている。

 ではその行き場をなくしたホルモン剤牛乳や牛肉が販路を求めてたどり着くのは多分、この日本である。鈴木伸尋東大教授によるとγBGHが残留する乳製品は既に日本の検査をすり抜けて入ってきているという。現在は日本もEU同様禁止されているが、残留基準自体が存在しないため、輸入品に含まれるγBGHをチェックしていない。

  アメリカ産の成長ホルモン入り乳製品が入ってくるのを止めるのも。ホルモン入りの表示をつけるのも日本では難しくなるだろう、とのこと。

 

 ということで、堤未果『日本が売られる』のほんの序章と言っていい、最初の40ページくらいの内容をブログ記事サイズにまとめました。

 このほかに種子法、種苗法、遺伝子組み換え食品解禁、知財、森林、漁業法など、安倍政権下で行われた、或いは行われつつある売国政策の数々を糾弾しています。吐きそうになるけど、まずこの事実を共有していただかなければ日本は変われない。

 記事タイトルに「堤未果『日本が売られる』 廚判颪ましたが、少なくともくらいまでは書かずにはおれない気分です。

こんな紹介記事を待たずに、ぜひ今すぐ手に取って読むことをお勧めします。

 

 イライラしたんで、ホットミルクでも飲もう。

皆さん!少々割高でも、国産チーズやバター、牛乳をぜひぜひ選びましょう。

それが食の選択肢を生き残らせる数少ない方法です。

日本政府・新聞・テレビを信じてはいけない~堤未果『政府は必ず嘘をつく』~ (マチダタイムス)

要点:堤未果『沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉』(マチダタイムス)

 

追記)

引用した農水省作成のグラフ、印象操作もいいとこですよね。

グラフのラインだけ見るとあたかも総消費量の8割くらいを国内生産量で賄っているように見えるけど、実際は2割に満たないという。日本の統計はこんなのばっかり。ヾ(*`Д´)ノ

 

次稿に続く

→ 外資水道民営化による自民党の「日本国土汚染大計画」/堤未果『日本が売られる』

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