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「改正会社法」で日本が海外投資家に売り飛ばされる/室伏謙一
ロナルド・ドーア
中央公論新社
(2011-10-22)
コメント:室伏謙一さんご推薦。少し古い本ですが、読んでみようと思います。

中野 剛志
講談社
コメント:帯には「アメリカに学んではいけない」と書いています。

murohusi04 今朝のモーニングクロスで「世界の富の6割が2100人に集中している」というニュース。

 

 これに関連して1月20日のオピニオンクロスで政策コンサルタントの室伏謙一さんが「コーポレートガバナンス改革は日本経済衰退の元凶」と題してほとんど議論もされないまま成立してしまった改正会社法を批判していたので紹介します。

(見逃し配信終わってしまったのだけど、ググったらアップしてる方がいました。)

 

 まずコーポレートガバナンスとは何か

 検索すると 「「会社は経営者のものではなく、資本を投下している株主のもの」という考え方のもと、企業経営を監視する仕組みと出ます。これが不十分だから日本企業が成長しないんだという話がありますが、それは大きな間違いで、ざっくりいうと「コーポレートガバナンス改革」とは資本の国際的な移動を自由化し、外国人株主が日本の株式市場に参加しやすくすると言うことがメインポイント、結局のところ米国の投資家のための法律改正なのです。

murohusi03  その結果何が起こるか?

 貪欲な金持ちの株主が企業への支配力を高めると、企業の短期利益重視主義、株主資本主義の圧力が一気に強まります。

 その結果、起こったことが左のグラフ。

売り上げが伸びない。

設備投資も伸びない。

従業員給与も伸びない。

なのに、経常利益と株主配当だけが激増しています。

 経常利益が上がっているのは、従業員給与をあげない、人員を削減する、設備投資をしないからで、その結果、社会的に見てどんなことが起きるのでしょうか?

・イノベーションが起こらない

・経済が成長しなくなる

・低賃金化、雇用の不安定化⇒貧困化、少子化

・企業の利益処分の変化は賃金が上がらない理由

(H27 労働白書)

 「無駄をなくせ」と言いますが、その無駄な部分、30年前の無駄な基礎研究や、無駄な教育や、無駄な余裕が、昨今の日本にノーベル賞をもたらしているのです。効率だけ求めれば、教育や福祉は焼け野原、人材育成もままならず、すべての中間層が最底辺に追いやられます。

 つまり、この法案で、投資を通じた海外投資家の日本企業支配が、政治と結託して日本国民の税金や資産を食いつぶそうとしている構図が見えてきます。

 

 以前、堤未果さんの『日本が売られる』や『貧困大国アメリカ』を取り上げた時にも触れましたが、アメリカ企業や投資家はアメリカ政権内にバックドアを持っています。つまり自分たちの利益になるような政策を実現させるために、日ごろから頭角を現しそうな政治家に「餌付け」を行い、「有識者会議」たる選挙を経ない政策決定機関に特定業界の代表者を送り込み、政策決定に影響を及ぼしています。これが見えにくい形で日本に魔の手を伸ばしてきたのが、この改正会社法なのです。

オバマケアとTPPが日本の医療を壊しに来る(マチダタイムス)

日欧EPA発効で国産牛乳が消える!/堤未果『日本が売られる』(マチダタイムス)


murohusi05 これについて、「会社とはだれのものか」と問われた弁護士出身の森法務大臣が「会社とは株主のものだ」と言い放っていて、置き換えると「会社とは、これから日本に資本投下してくれる大金持ちだけのもの」と言っているのに等しい。

 そうじゃないだろ、会社は、株主、経営者、社員、地域、国家すべてのステークホルダーが、きちんと議論して、よしとすべき経営を目指すべきなのに、政権も政治家も企業も、資本家という強欲な金の亡者の使い魔(パシリ?)に堕しています

 

 この強欲資本主義の末路は、企業が適正な社会負担をせず、労働者を使い捨てにして、地域社会のコミュニティを分断して、医療や教育という社会資本への投資負担を最大限拒否して、利益のためには公害を出そうが、過労死が出ようが、自殺が増えようが、戦争が起ころうが知ったことではない。

 例えばカジノや薬物汚染のせいで犯罪が増えても、それは警察や自治体の税金で一切の対策をせよという社会だし、仮にオーストラリアの森林やアマゾンの密林を伐採した結果、温暖化が進み、熱波や洪水や自然災害が頻発しても、それまたビジネスチャンスだと言い張るようなディストピアでしかありません。

 

 上場企業なので、どこまで当てになるのかわかりませんが、伊藤忠商事が 近江商人の伝統である『売り手によし、買い手によし、世間によし』を示す『三方よし』 」に企業理念を戻す、というようなニュースがありました。

  冒頭の世界の富のニュースで、ゲッティーイメージズの島本久美子さんが

「格差というものを減らしていくためには、価値観を変えていくしかないのではないかと思う。やはり富を築くこと、金持ちになることがいいこと、すごいこと、尊敬されること、よりも、そこまで一人で集めちゃってることに、よくない、かっこ悪い。いかに多くの人を助けたことがかっこいい、とか、そういう風に価値観がどうすれば変えていけるだろうか、そういうことから変えていかないとこの問題は難しいと思います。」

とコメントしていました。

 これに対して堀潤さんが財団を立ち上げて社会貢献を目指しているビル・ゲイツの例をあげて「再分配の仕組みを富裕層がどう考えるかという問題」だと返していました。

 

  内田樹が鳩山友紀夫、木村朗との鼎談本『株式会社化する日本』

 グローバルな規模で展開している金融資本主義というのは実体経済と乖離した経済活動です。本来経済活動というものは人間的な活動です。人間のスケールの中で行われている。人間の行う交換を駆動しているのは身体的な生理的な欲求です。…
 人間の身体というという限界を外したことによって今資本主義経済は延命している。本来経済活動は人間のために存在したわけですけれども、もう今は違う。金融経済を回すために人間が犠牲になっている。本来であれば人間たちがその欲求を満たし、幸せに暮らすために行われるべき経済活動が人間たちに対立し、その人間達を食い物にしている。マルクスが「疎外」と呼んだ状況です。資本主義の末期的な症状が現れてきた。

と述べているのと、同じ種類の話かと思います。

 

 今の資本主義は狂っています。

たった2100人が、世界の富の6割を独占しようと、人1人の食べられる量、存在できる空間、着られる服、乗れる車、履ける靴、すべて人間という身体と、一生という時間に制限されています。なのに、広大な土地や財を、物理的・実用的な量を越えて蒐集するために蒐集するというかなり、キチガイじみたフェティッシズムとか性欲に近い欲望で支配されていて、絶望的になります。

 企業にもし存在価値があるとしたら、いかに多くの雇用を生み出し、いかに多くの社会成員の生活を支えるかというこの1点に尽きると私は考えていますが、アメリカの投資家は「社会なんかにではなく、自分1人に還元せよ、社会なんか壊れたって、自分は何にも困らない。日本?そんな地球の裏側の国なんて、国民もろとも叩き売ってしまえ!」と考えているとしか私はに思えません。

 

 さて、この原稿、本来は昨年読んだスコット・ギャロウェイ『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』という超絶ホラードキュメント?を紹介する目的で書き始めたのですが、長くなりましたので、次稿でAMAZONやウーバーなど、アメリカ企業のおぞましい世界戦略についてご紹介しようと思います。

 室伏さんのオピニオンぜひご覧ください。

 

「日本の貧国化」をさらに進める会社法改正案、絶対に通してはいけない理由(室伏謙一)

 

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