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追悼:梓みちよの『ナラタージュ』の歌詞が衝撃的!
評価:
有馬三恵子,阿久悠,安井かずみ,伊藤薫,岩谷時子,阿木燿子,中村泰士,伊藤強,山上路夫,五輪真弓
ソニー・ミュージックレコーズ
¥ 8,800
(1998-11-21)
コメント:ナラタージュが収録されたベスト盤めっちゃ少ない。丹念に探すとあると思います。聞きなおしてますが、昭和の楽曲ってメロディラインがいいね。ピンクレディ世代にヒットします。

 阿部千代さんの「この歌が今でも2丁目でよく歌われてる」というTWで知った梓みちよさんの訃報。

最近では「5時に夢中」で「中尾ミエが絶対共演したくない人」としてしか認識してませんでしたけど、突然のニュースに結構、動揺しています。

 この方、ほんとに名曲が多いの。さすがにあたしもオンタイムで聞いてたわけじゃありませんが、『こんにちわ赤ちゃん』、吉田拓郎が楽曲提供した『メランコリー』、絶頂期の中原理恵がカバーして売れなかった『銀河系まで飛んでゆけ』、レコード大賞を受賞した『二人でお酒を』や『よろしかったら』…。

 聞きなおしてみて、あ、梓みちよが求められていたのは「サバサバ系女子」なんだと思った。

>恨みっこなしで別れましょうよ。(二人でお酒を)

>それでも乃木坂辺りでは、私はいい女なんだってね。腕から時計を外すように男とサヨナラできるんだって。

さみしい、さみしいもんだね。(メランコリー)

 

そしてユニセックス系の歌が多いことにも気づく。

>私の中の少年、時々妙に性悪で、あなたのうなじに焦らし煙を巻き付ける。欲しいものが手に入らなければ、生きていたって仕方がないの。例えばあなたが男でも、例えばあなたが女でも、それはどうでもいいことなの。(よろしかったら)

 

 そして今日一番の衝撃は『ナラタージュ』の歌詞。

ナラタージュって島本理生の小説のタイトルにもなってますが"「ナレーション」と「モンタージュ」を掛け合わせた言葉であり、ある人物の語りや回想によって過去を再現する手法を意味する"のですけど、この歌で語られる人物の回想があまりに衝撃的過ぎて、言葉にできない。

ナラタージュ(→歌詞出典) 詞:阿木燿子 作曲:筒美京平 編曲:かしぶち晢郎

 

おいおい話すけど、出生の秘密は複雑で

上の兄貴と下の兄貴が、みんなが父親が違ってて

ママが女手一つで育てたわ

 

六つの齢には、母親の口紅盗んで化粧したの

ママと私とどっちが綺麗

頬をつねられ叱られたけれど

小学校でもよく目立ち

学芸会では主役もやった

ママは一度も来なかったけど

舞台衣装は似合っていたわ

 

ママ、アイ、ラヴ、ユー

ママ、アイ、ラヴ、ユー

ママ、アイ、ラヴ、ユー

ママ、アイ、ラヴ、ユー ソー

(*)

 

中学時代の初恋はスポーツクラブの上級生

背中合わせで抱きしめられて

その子を小馬鹿に思っていたわ

(*繰り返し)

 

お酒のついでにごめんなさいね

もう少しだけ聞いてください

 

退学通知よ、学校の

私の方は未練はないわ

ママはその時あきらめ顔で

仕方がないと横を向いていたわ

 

愛する男ができた時

子供が欲しいと本気で思う

彼と二人で訪ねてみたら

ママは無言で泣いていた

 

(*繰り返し)

 

別れが嫌だと絡み合い

男はワイシャツ、真っ赤な色に染め上げた後

ママはその時死んでいた

 

(*繰り返し)

 

いよいよ話すけど、出生の秘密は複雑で

上の兄貴と下の兄貴が、みんな男の子だったから

ママは女の子が、そう欲しかったの

 

ママ、アイ、ラヴ、ユー

ママ、アイ、ラヴ、ユー

ママをとっても愛してたから

 

ママ、アイ、ラヴ、ユー

ママ、アイ、ラヴ、ユー

ママにとっても愛されたかった

 

ところであなた、今の今まで私を女だと思ってた?

 

ママ、アイ、ラヴ、ユー

ママ、アイ、ラヴ、ユー

ママ、アイ、ラヴ、ユー ソー

 発売が1970年代。阿木燿子、何を考えてこの詞を書いたんだ。

梓みちよのブレイクは大まかに分けて、1963年の「こんにちわ赤ちゃん」1974年の「二人でお酒を」が最盛期なのだけど、この歌がリリースされたのは1970年代の後半のサバサバ期だと思って、間違いない。

これをどこをターゲットにしてマーケティングしたのかわからない。でも、ある期間、彼女がユニセックスのアイコンだったのか、と今にして知れるのである。

 

 この歌詞を読んで、真っ先に思いうかんだのはカルーセル麻紀の半生を小説にした桜木紫乃『緋の河』である。

ホモソーシアルな男同士のイチャイチャ。舞台『絢爛とか爛漫とか』(〜9/13)(マチダタイムス)

 

 私たちは、なんか、マツコ・デラックス以降のLGBT史しかしらないような顔をしてるけど、当然、それよりも前、ずっと前にもセクマイはいたわけで、そういうのが、佐良直美レズビアンで芸能界から干される事件、とか、東郷健「雑民党」で立候補するも冷笑される事件もあって、そんな、右にいったり、左に行ったりの社会の波を越えて、まあまあ安定した、セクマイの地盤が今あることを感謝しないといかんよなあと、少し思った。

 

 梓みちよさんは一度結婚して、「こんにちわ赤ちゃん」とならないまま、1年7か月で離婚。低迷期を経て、「二人でお酒を」で再ブレイク。彼女がセクマイに近い存在だったかどうかは知る由もありませんが、芸能史的には、セクマイのパイオニアと言っていいモダンな歌手だったと改めて思います。

 人は死ぬものだけど、元気でいると思ってた人の突然の訃報はいろいろな思いを引き起こして感慨深いです。

ご冥福っていうか、私たちの人生に色を添えていただき、ありがとうございました。

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