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鐘下辰男/ビロクシー・ブルース@パルコ劇場
評価:
ニール・サイモン
¥ 760
コメント:サイモンってひねくれた印象があったんですが意外なほど正統派かも。

birokusi そろそろ、昨年のゲイDVDベスト10を選ばなきゃいけない時期です。しかも、今日明日、更新日じゃん!なんて、思いながら誘われたのでふらふら芝居いってきました。終演間際ですがなかなか面白かった。(ベスト10は極力今月中にまとめますm(_ _)m )
「ビロクシー・ブルース」
[劇作・脚本]ニール・サイモン [翻訳]目黒条 [演出]鐘下辰男 [出演]佐藤隆太 / 忍成修吾 / 瀬川亮 / 中村昌也 / 尾上寛之 / 南周平 / 内田亜希子 / 西牟田恵 / 羽場裕一

 男性出演者全員のサインが入った画像の大判ポスターが2000円で売ってたので、思わず衝動買い。ま、7人もいりゃ、一人くらい佐藤君以上に大ブレイクして将来は値も上がることでしょうw
 1943年、ミシシッピ州ビロクシーの新兵訓練所に入所した作家志望のユダヤ人青年(佐藤)ら6人の若者が、鬼軍曹(羽場裕一)に徹底的にしごかれながら、人種差別など様々な社会問題に直面する物語。ニール・サイモンだっていうから喜劇かと思ったら、彼の自伝的舞台で85年のトニー賞を獲得してる。テイストはスタンドバイミーに似てました。
 当時の時代背景に詳しくありませんが、主人公2人(佐藤/忍成)はユダヤ系で、あからさまな差別、侮蔑を受けます。ユダヤ人ってゲイが多いのか?それとも、軽蔑すべきものすべてにホモという「蔑称」をつけたがったのが戦中のアメリカなのか、ゲイとしては胸が痛む思いでした。
 台詞の中にしばしば「ユダヤ人はオカマだから・・・」とか、「ユダヤ人にケツ掘られないように気をつけな」とか・・・、私が馬鹿にされてるんだか、ユダヤ人が馬鹿にされてるんだか、わけわかんないことしばしばで、そのたび胸がざわざわしました。

 物語の中で、便所でフェラチオしててで除隊される兵士のエピソードが出てきます。ま、除隊された兵士以外は戦地で狂ったり、足吹っ飛ばされたり、行方不明になったり誰一人幸せにならないので、除隊もラッキーなのかも知れませんが、なんていうのでしょう、ゲイである「不全感」をつきつけられる芝居でした。軍隊なんか開けっぴろげな世界です。というか、本当のところ、共同生活で仲良くなるためには、互いの弱みを敢えて晒しあい、互いに逃げられない状態を作ることが親密になるために適当な方法だということも承知してます。でも、それができない、という意味で、同性愛者であることと、ユダヤであることは似ているのかもしれません。(ユダヤ教徒が同性愛に寛容であることは全くありません)
 
 また、イスラエルのガザ攻撃の恨みの根源というのはこの時代から始まっているのだろうと思いました。イスラエルが一方的にガザを攻撃してるじゃないか、悪いのはイスラエルじゃないかということ、私も思いますけど、積年の恨みというのでしょうか。迫害され続けてきた民族の周囲の敵意への過剰反応というのも致し方ないのかもしれないと思いました。
 「罰で便所を掃除してたら、入ってきた兵士2人が流さずに出て行こうとしたので注意した。そしたら奴らはこのオカマのユダヤ人と罵りながら、俺の頭を気絶するまで便器に突っ込んだ挙句、ロープで便所のパイプに屠殺前のブタみたいにぶら下げやがった。偶然パイプが折れて落ちて、ロープを解くのに20分かかった。それでも、お前は俺が逃亡するのをやめろというのか」

 言葉もない。
何をして人は人を見下すのか、何をして人は人を嫌悪するのか、単純に、お前が悪いと言えないことはいっぱいあって、胸が詰まります。というか、加害者にしろ、被害者にしろ、世界は不条理なものなのかもしれません。で、人間は馬鹿なもんだから、その不条理を人にも味あわせてやりたくて仕方がないものなのかもしれません。
 
 軍隊ものだったので、ちょくちょく舞台上で軍服やら、平服やら、Tシャツやらに着替えて多少眼福。ただ、アンダーが昔風のサルマタだったので残念。佐藤隆太のベッドシーンがあったけど、そこも脱ぎはなし。惜しい。ケツくらい見せんかいっ!と心で叫ぶ。
 ウナギのようなベッドを6台並べて、宿舎にしたり、娼家にしたり、訓練場にしたりで面白かった。
 演出の鐘下辰男さんは、私がもっとも好きな演出家なのですが、もともと、死ぬとか狂うとか、そんなのばっかやってる演出家で、彼にしては毒のない後口のいい明るい舞台でした。かといって、原作どおり、きれいにまとまってるだけで、救いがあるとは思えませんでしたが…。
 昨年の『青春門』も見ましたが、この蟹工時代に、もっとお前ら動けよって思ってるのだと思います。この舞台も彼なりの今の時代の閉塞感への「提案」なのかなと思って見たら興味深かったです。

 東京公演はあと数日で終了ですが、このあと倉敷、福岡、大阪、仙台、名古屋を順延するようです。興味とお時間のある方は是非ご覧ください。デートにもまあまあいいかな。
http://www.parco-play.com/web/page/information/biloxi/

ニール・サイモン (3) ビロクシー・ブルース (ハヤカワ演劇文庫 20) (ハヤカワ演劇文庫) (ハヤカワ演劇文庫)
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ニール・サイモン
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パルコで検索してみました。ブログなんか結構あります。気になるものだけ記録してお...
| パルコ | 2009/03/06 7:34 AM |